私たち日本人は季節の変化を敏感に感じ、
古来より様々な形で愛でてきました。
「七十二候(しちじゅうにこう)」は
植物の成長や動物の行動、
気象の変化などで、繊細な季節の移ろいを
美しい言葉で表した農事暦です。

今回は、そのちょっと不思議な短文でイメージされた
「季節の言葉たち」をテーマに
食卓の上から季節の変化を繊細に表現する
「うつわ」を創出しました。

料理や食材は勿論、
食器や食卓からも季節を感じ、
その中から今まで気づかなかったような
細かな気付きや発見ができる思います。
それが日々の暮らしの楽しさに
つながっていくと信じています。

まだまだ、旅行や外食などしづらい生活が続いています。
だからこそ、日常の生活の中で
ちょっとした楽しさを見つけて欲しい。

どこへ行くでもなくお家の中で。

  • 「ふんわりと姿を現す棉花」   暦では厳しい暑さがやわらぎ朝夕には心地よい風が感じられます。近年では夏真っ盛りですが、オミナエシ、コスモスなど秋を感じる花を迎えて花瓶に生けて季節の移ろいを楽しみたいです。夏にムクゲやフヨウに似た花を咲かせる綿の木。実をつけて顎が開き...

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  • 「涼やかな音色で夏の夕暮れを彩る」   夏休みの夕暮れ、木立の幻想的な影絵の中でヒグラシの声が聴こえると時の移ろいを感じます。 ヒグラシが鳴くのは、早朝や夕方の暑さが和らいだ時間帯。 カナカナカナと高く涼しげな音に包まれます。   まだまだ暑い夏を乗り切るため...

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  • 「朝夕に吹き抜ける涼やかな風」   暑さの中にも少しずつ秋の気配を感じるようになる頃。朝夕にふと涼やかな風が吹き、見上げれば空気が澄んで空が高く思えたり、浮かんだうろこ雲が陽に映えて空を綺麗に彩っています。道ばたでゆれる草たちも秋の顔を見せ始め、夏草との美しいグラデーシ...

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  • 「梅雨が明け、暑い南風を感じる」   梅雨明けに吹く南風のことを白南風(しらはえ)と呼びます。 「温風至」はその名の通り、暑い夏の風が吹くこと。 この頃にだんだんと日本列島が梅雨明けしていきます。   梅雨が明ければすぐに暑い夏がやってきます。 この季節を乗り...

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  • 「心身を休め、滋味深い料理を頂く」   漢字で「膳」と書いて「かしわで」と読みます。日常では一膳、二膳(いちぜんにぜん)と読んでいますが、太古の昔、かしわの葉をお皿の代わりに使ったことが由来だそうです。料理を乗せる台や食事のことで素朴でシンプルな料理や器を思わせます。...

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  •   「恵みの雨、瑞々しい風景を楽しむ」 早春に咲いた梅の花が実を結び、青から黄へ色付きます。 収穫に合わせて始まる梅仕事は初夏だけのお楽しみ。 梅の実が熟す頃の長雨は梅雨とよばれ、草木を育む恵みの雨です。 雨粒に濡れた葉や輝く花々は艶やかで嬉しそうです。 窓に伝わる水滴...

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  • 「朝露に濡れた紅花が美しく咲く」   新緑から濃い緑へ移り変わり、生命が満ちていく喜びに溢れた時期。カラッとした気持ちの良い天気が続き、木漏れ日も輝きを増していきます。そんな初夏の心地よい日差しの中でのティータイムは至福のひととき。小満の次候に登場する紅花は染料として栽...

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  • 「雨音のようにさわさわと蚕が桑を食む」 動物や虫が活発に動きはじめ、生き生きと茂る草木。畑では夏野菜の花芽が見られます。爽やかな風が吹き植物が力強さを増す頃、卵から孵化した蚕が桑の葉をたくさん食べて育ちます。昔は蚕のえさとして採られた桑の葉ですが、近年は栄養価が注目され桑茶や桑...

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  • 「野山や花々の景色を切り取って 」   蛙始鳴(かわずはじめてなく)。冬眠から目覚めた蛙が活発に動き出し鳴き始める頃。田んぼに水が引かれるとカエルたちが卵を産みにやってきて、田んぼにはおたまじゃくしが泳ぎ始めます。 昨年の春夏商品で好評だったリネン生地「ルス」に新色エ...

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  • 「稲の苗がすくすくと育つ暖かい陽気」   春も終わりに近づき、だんだんと暖かくなる心地よい季節。 朝晩の冷え込みは和らぎ、冬の名残の霜もようやく降らなくなります。   「霜止出苗」の「苗」は稲の苗のこと。 苗代にまいた種もみが健やかに成長し、田植えの時期を今か...

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  • 「春の訪れを喜び味わう」   本格的な春の到来。冬の間暖かい国で過ごしたツバメが海を渡って戻る季節です。元気に飛び回り、春の訪れを教えてくれるツバメはとても身近な存在。海を渡る様子や巣を作る姿、子育て風景など生態を知るほどに、その小さな体に満ちている力に驚くばかりです。...

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  • 「美しい春の宵を楽しむ一皿」   厳しい冬が去り、少しずつ緩む空気。 街のあちこちが淡いピンクに染まり、桜のあでやかな景色に目を奪われる頃。儚くも美しい春の宵にゆっくりと食事をする贅沢な時間をイメージしました。 「春宵一刻、直千金」古くは古典の詩として用いられていた一...

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