コミュナス Communus

食卓やディスプレイにあると圧倒的な存在感を放つ大きなうつわ。大勢で集まる食事の機会も増えてきたので、一つあると重宝する大きなうつわが作りたいと思いました。

コミュニケーションの語源となる「コミュナス」。
一緒にごはんを食べたいな、と思い浮かべる人と大皿料理や大鉢料理を楽しんでほしいです。

「325オーバルボウル」と「350オーバルプレート」の2アイテム。
どちらも驚くのがサイズ感です。

325オーバルボウルはW325mm   D272mm  H59mmのサイズで、なんと1600ccも入ります。
テーブルの主役となり、ディスプレイでも映えるようボウルは深めにデザインしています。

350オーバルプレートはW350mm  D280mm  H35mmで、ボウルの一回り大きいサイズ。
たっぷり盛り付けられるよう、盛り面はフラットな部分を多くしています。

デザインするときに窯に積む板のサイズを計算し、生産できる範囲の中で最大のサイズにしました。

大きいうつわを作るには技術も必要です。器が大きいぶん型も巨大になります。型の重さに耐えながら切れたり歪んだりしないように素地を作り、釉がけではなるべく同じ色でムラなく施す工夫をしています。

デザインはおおらかでどっしりとしたアンティークの雰囲気を意識しました。
案を出すなかで四角の形状も可愛かったのですが、食卓で場所を取るのでオーバルに仕上げました。
大きなうつわは存在感があるので、料理がなくてもうつわだけで美しくどの角度から見ても動きのある装飾にしたいと思いました。

アンティークの器の特徴を観察し、 面の中での隆起、口縁のぽってり感、縁を強調する線を取り入れています。
側面の裏と表が連動する形にして、リズムや美しい流れを作る工夫をしています。
また、盛り面の内側に段差をつけることで形を引き締めました。縁の形と連動させることで一体感が出ています。

プレートは装飾が綺麗に見えるようにリムを広く取っています。
40mm、45mm、いろいろな幅を描いた結果、優雅に見える50mmに。
リムの上にも自由に食材を盛り付けられるデザインにしたかったので、段差は控えめな装飾にしました。

ボウルよりも大きいサイズなのでボウルと同じ雰囲気を保ちつつ、レリーフの線を増やしました。そうすることで間延びして見えないようにしています。

「communus」のロゴは少しアクセントのある文字の形。面が広いのでロゴも自由にのびのびと書くことができました。

中心にある丸は焼成中に盛り面が下がらないように、形を維持するためにつけています。

クリームがかった白と南仏の感じもするオリーブの2色展開です。
黄みがかった白はアンティークの雰囲気が出せました。
どちらの色も酸化磁器の優しい色味をしています。

 

オリーブは窯の焼き場によって色味に大きく幅が出ます。
釉薬掛けは全て手作業で行います。一つの個体の中でもより幅が出やすいのは大きいうつわの特徴でもあります。

 

ボウルにはアクアパッツァ、プレートにはチキンのローストや手巻き寿司など大勢で集まる時に活躍するコミュナス 。

 

1枚あるとテーブルを引き締めてくれ、コーディネートの主役になります。
コミュナスで会話を楽しみながら料理を味わってみてください。

WRITTEN by Risa Matsumoto

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