郷土料理は、各地域の産物を上手に活用して、
風土にあった食べ物として作られ、食べられてきました。
今はなかなか遠くへ出かけることは難しいかもしれないけれど、
日本の郷土料理をお家で作って、
マルミツポテリのうつわに盛り付けて、
その土地の魅力を感じてみませんか。

第26回

鳥取県

「いただき」

「いただき」は、油揚げの中に生のお米・野菜を詰めて、

だし汁でじっくり炊き上げた古くから伝わる郷土料理で、

鳥取県西部・弓ヶ浜半島を中心に親しまれています。

見た目は大きないなりずしのようですが、調理法や味わいは全く違います。

作り方は、細かく切ったにんじん、ごぼう、しいたけを、洗った生のお米と合わせ、油揚げに詰めます。

爪楊枝で口を閉じたら、そのままお鍋に入った醤油ベースのだし汁で20分ほど煮るだけです。

生のお米を詰めるのに驚きましたが、事前にご飯を炊く必要なく

手軽に作れるという良さがありますね。

口に頬張ると、甘味と旨味がジュワ〜っと広がります。

本場の鳥取県では、三角形の大きな油揚げを使うのが一般的ですが、

通常の四角形の油揚げでも作ることができます。

斜め半分に切って盛り付ければ、本場さながらの見た目に。

瑠璃色が美しいジョリに盛れば、油揚げや断面のお米の色が際立ちます。

地元民に愛され、スーパーや居酒屋などで販売されたり、

地市民団体の働きかけにより販売・飲食店舗が拡がりつつある「いただき」。

皆さんもぜひおうちでその土地特有の美味しさを体感してみてください。

鳥取県

鳥取県では、米、野菜、果実、畜産がバランスよく営まれ、新鮮で良質な農産物を各地へ供給しています。特に、特産の二十世紀梨は、日本一の産地が形成され、海外にも広く輸出されています。鳥取砂丘以外にも美しい海岸や、中国地方最高峰の大山に代表される山々など自然に恵まれています。日本で最も人口が少ない県ですが、近年はターゲット別のこまやかな移住支援に力を入れていることで若者を中心とした移住者数が増えています。