「せんべい汁」は、肉や魚、野菜や茸等でダシを取った汁の中に、
南部せんべいを割り入れて食べる青森県八戸地方の郷土料理です。
鍋料理として食べる場合と、汁物として食べる場合があります。
江戸時代後期、飢饉や凶作で米が不足していた八戸市とその周辺では、
麦やそばからやわらかいせんべいが作られていました。
その後、明治30年頃にかたく焼いた南部せんべいが誕生し、
主食以外にも汁物にちぎって入れる食べ方がされたところから
「せんべい汁」がはじまったと言われています。
使用するせんべいは「おつゆせんべい」と呼ばれるもの。
これは、汁もの専用に開発されたもので、煮込んでもとけにくく
食べると独特の食感があるように焼き上げられています。
今回はパルタジェに盛りつけて、汁物としていただきました。
初めてのせんべい汁、やはり驚きの見た目です。
せんべいが汁気を吸ってふにゃりと柔らかくなったら食べ頃。
お麩のような、でもお麩よりも食感を楽しめる不思議な味わいです。
汁物ですがせんべいが入ることで主食にもなりそうな、
食べ応えのある美味しい郷土料理でした。