粉引とは
粉引の器とは素地(ベースになる器)の上に、化粧土(白い土)をかけて作られます。
釉薬の下にまた別の層があるため、独特の柔らかな雰囲気が生まれます。
一方で、素地と釉薬が直接触れていないために強度が弱く、素地の土より柔らかい化粧土が
釉薬ごと剥がれ落ちたり、化粧土と釉薬の隙間に汚れが入り込んでシミになることがあります。
また、汚れだけではなく水分も化粧土と釉薬の間に入り込み、
化粧土の色が変化することがあります。
なぜ、水が入り込むのかというと、
原因は「陶器に吸水性があること」です。
陶器の土は荒く、土と土の間に小さな隙間がたくさんある状態です。
隙間に水分が吸収されていきます。また吸水性が早く、15分で水を完全に吸水しきった飽和状態にまでなります。目止めをすると、その間に陶器は水をたっぷりと含んでいきます。粉引の器の色がグレーに変わったのはその為です。
陶器は乾燥に時間がかかり、個体差もありますが早くても半日、長いものは丸2日乾燥が必要なものもあります。
【乾燥の仕方】
・風通しのよい場所で乾かす
・裏を向けて乾かす
・通気が良いように、水切り籠か、なければお箸を器の下に挟む等して乾燥させる
乾燥が不十分なまま食器棚にいれてしまうと、水分が抜け切ることができず、シミやカビの原因となります。よく乾燥させることが、とても大切です。