写真の器にみられる表面のヒビのようなもの、これは陶器ならではの一種の模様です。
「かいらぎ」とよばれる技法で、この模様が梅の花が咲いているように見えることから
漢字で「梅花皮」と書きます。
刀剣の柄に巻くエイの皮を「梅花皮」と言い、その表面に似ていることから「かいらぎ」と呼ばれています。
一般的な「かいらぎ」は釉薬が焼成によって縮れた状態のことを言いますが、
マルミツポテリでのかいらぎは、釉薬ではなく化粧土の縮れを「かいらぎ」としています。
さらに、かいらぎ状の化粧面に錆ゴスと呼ばれるものを塗ってから施釉するという
一手間を加えています。
こうすることで、かいらぎ模様がよりはっきりと見えるようになります。
ちなみに、このようにして作られた商品をマルミツでは「錆かいらぎ」と呼んでいます。
かいらぎの縮れの出方は不規則で、同じ絵柄の器は2つとありません。
まさに焼き物ならではの自然の美しさが表れている技法ともいえます。
また、錆かいらぎと称していないものでも、化粧土を施している器に現れることがあり、
下の写真のように一部にのみかいらぎが現れている商品もございます。
かいらぎの器は陶器の中でも水分を吸収しやすく、シミなどが入りやすいため、
使用する前に目止めが必要であったり、使用後の乾燥など取り扱いに気遣いが必要です。
しかし、昔の日本の茶人たちは使っていくうちに変化していく器の色合いやシミも
一期一会の「景色」として捉え楽しんだそうです。
ぜひ焼き物の一つの魅力として感じていただけたら幸いです。