数年前、この会社に入る前の話。
何かのタイミング(何かは忘れてしまいました・・)の贈り物として、
オリーブプラターをもらったことがあります。
当時30歳を目前に控えた独身男性として生きていた僕にとって、
贈り物として食器をもらうのが初めてだったので、新鮮だったのと同時に、
「あっ、器をもらうのって悪くないな」なんて思った記憶があります。
どうして30歳を目前に控えた独身男性に器を贈ろうと思ったかは今となっては定かではありませんが、
当時不規則な生活を送っていた僕に、食事くらいはまともにとれよ、
とういうメッセージだったのかなと勝手な解釈をしておりました。
と言う訳で、それからの僕は出来るだけ自炊をするように心がけ、
日々せっせと料理に励むようになりました。
もともと料理は好きで、学生の頃はよく作っていたので、初めてしまえばそれなりに楽しく、
本格的な麻婆豆腐やスパイスだけで作るカレー、
丸ごと1本揚げた茄子の揚げ浸しや西洋野菜を使った筑前煮などいろんな料理を作りました。
そんな時、盛り付ける器はもちろん「オリーブプラター」。
僕の料理熱を再燃してくれたこの器に、ありとあらゆる料理を盛り付けました。
オリーブプラターは、器の形を手で作り、それをもとに型を作っているため、
均一ではないかすかな揺らぎがあらわれます。
赤土の表面に白い土を施す、白化粧と呼ばれる技法を用いているため、
白い土の掛かり方で器の表情に変化が出るところもこの器の特徴です。
だから、シンプルな料理を盛り付けても単調に見えることはなく、
料理をちゃんと引き立てつつ、器もしっかりと存在感を主張してくれます。
形はしっかりとした深さのあるオーバル型。
リムもちゃんと主張しているのでカレーやポトフなどの汁気のある食べ物を
目一杯盛り付けても安心して食べることが出来ます。
だから当時は、ほぼ毎日使っていました。
この器を使うたび、「食事くらいまともにとろう」という気持ちになります。
贈ってくれた人にそんな想いがあったのかどうかは今となってはわかりませんが、
少なくとも僕をそういう思いにさせてくれる器。
さて今日は何を盛り付けようかな。
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