企画通信-2022秋冬

秋分|雷乃収声

波雲

「雷が収まり、秋を迎える」

爽やかな秋らしい風が吹きはじめる頃、

夕立を伴って鳴り響いていた雷は収まります。

夏の入道雲は消え、空にはいわし雲や鱗雲が広がります。


雷乃収声の一日目は秋分の日。

昼と夜の長さが同じになり、この日を境に夜が長くなります。

暑さ寒さも彼岸まで、という言葉のように、

暑さは和らぎ、秋らしく過ごしやすい季節です。

 

秋分の日とその前後三日間は秋の彼岸。

お墓参りをして先祖への感謝を伝えましょう。

また小豆は邪気を払うと言われ、おはぎをお供えするのが秋の彼岸の定番です。

 

波のような雲の模様がつくり出す、有機的な形が印象的な「波雲」。

特別感のある、三つ足の器です。

懐石料理などで刺身を盛る向付の器をイメージしてつくりました。

 

中央の一点から波のようなレリーフが出て、縁取りにつながっていく。

趣向を凝らした形が目を楽しませてくれます。

 

三つ足でスッと立ち上がる形状は特別感があり、

刺身や和え物、晩酌のつまみをちょこっと盛り付ければ、家でもまるでお店にいるような気分が味わえます。

 

横から見た時にちらっと見える裏面にも、縁取りから続くようにレリーフを施しています。

 

白い荒土をベースに、陶器らしい貫入が入る3色の釉薬をかけて仕上げました。

写真は上から半時計回りに、白、青、濃藍(こあい)。

どの色も凛とした美しさがあります。 

 

波雲を使って、食事や晩酌を少し特別な時間にしてみませんか。

WRITTEN by Maori Ota

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