処暑|綿柎開
グラシュ
「ふんわりと姿を現す棉花」
暦では厳しい暑さがやわらぎ朝夕には心地よい風が感じられます。
近年では夏真っ盛りですが、
オミナエシ、コスモスなど秋を感じる花を迎えて花瓶に生けて
季節の移ろいを楽しみたいです。
夏にムクゲやフヨウに似た花を咲かせる綿の木。
実をつけて顎が開き始めるのもこの頃です。
実が弾けて中から顔をのぞかせる白くてふわふわの綿は
思わず手で触れたくなります。
ここから糸を紡ぎ、木綿の糸や布が作られます。
フランス語で「優美な」という意味のグラシュ。
庭で育てたハーブを使ってハーブウォーターを作ったり、
花を生けて部屋を彩ったり、
オブジェのように置いておくだけでも様になります。
季節の移ろいが感じられる花。
その時々の一瞬の美しさを楽しめるピッチャーを考えました。
「こだわりを散りばめた形」
シルエットが美しいピッチャーになるよう、
膨らみとキュッと締める部分のメリハリをつけてダイナミックに表現しました。
孔雀がどこか遠くを眺めている姿にも見えます。
側面のレリーフや羽のようなハンドル、
注ぎ口の躍動感など
随所に散りばめたこだわりが華やかさを盛り上げます。
口元が狭いため、お花を生けた時にも広がらず
まとまりが出やすいです。
「花がひらりと舞う裏ロゴ」
ロゴの一部に流れるように咲いた花は
凹凸装飾で釉薬によって浮かび上がります。
「部屋に馴染む落ち着いた色展開」
オブジェのような存在感のあるピッチャーは
レリーフの美しさを引き立たせるために、釉薬は表情豊かなものを選んでいます。
気品ある装飾のピッチャーは
使うたびに背筋がすっと伸びます。
お部屋の中で過ごす時間が少しでも
優しく美しい時間となりますように。
WRITTEN by Risa Matsumoto