marumitsu poterie
studio m’


2020 Automne-Hiver Nouveaux Produits

A special column where the designers themselves tell us what's new for Autumn/Winter 2020

WRITTEN //  Maori Ota

Shinogimon

鎬文

落ち着きをもたらす、お茶の時間

細かく刻まれた上品な鎬文と深みのある釉薬が落ち着いた印象の湯呑み。

少し口すぼまりな、ころんとした丸みはどこか可愛らしさも感じます。

丁寧に入れた煎茶をゆっくりと味わい、心落ち着く時間をお過ごし下さい。


上品な印象の鎬文

「鎬文(しのぎもん)」とは側面にいれた削ぎ模様のこと。

どんな幅で模様を入れるかが印象を左右する重要なポイント。

今回の湯呑みはシックで落ち着いたイメージだったので、細かめの幅を選んでいます。


表面に掛けたマット釉は、濃度や焼成の具合によって変化が起こりニュアンスが生まれます。

特に縁や角などの濃度が薄くなる部分はベースの黒土の影響も出て、濃い色合いで焼き上がるため、鎬文が際立ちます。


口元を少しすぼめたシルエット

形でこだわっているのが、ほんの少しすぼまっている口元。

口が丸まっていることで、コロンとした可愛らしさを感じます。


この口すぼまり、実は制作する上では手間のかかる形なんです。

側面の一番張っている部分よりも口元の方が狭いことで、型からすんなり取り出せないのです。

ただ土は乾燥する時に少し縮んで小さくなるので、時間をかけてじっくり待つことで取り出せるようになります。


効率だけを考えると口元が開いていた方が良いのですが、すぼまっている形の方が絶対かわいいはず!というこだわりから職人に協力してもらい実現しています。



容量は満水で約170cc、と煎茶を飲むのにぴったりな大きさ。

家で飲むお茶の時間を想定して作った湯呑みです。

落ち着きがあり、上品なデザインなので、お客様がきた時にも活躍します。

来客用にはルポゼの茶托や菓子皿を合わせて、少し上品にコーディネートしてみてはいかがでしょうか。

ほっと一息つけるお茶の時間をお楽しみ下さい。


WRITTEN by Maori Ota

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