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Fredonner
フルドネ
「ハンガリーで愛されている蜂蜜」
ヨーロッパ屈指のアカシア蜂蜜の生産国であるハンガリー。
初夏には、白い花を咲かせたアカシアの森をミツバチが飛びまわる景色が広がります。
蜂蜜を生かした文化が暮らしに根付いていて、紅茶にも蜂蜜を入れたりするそうです。
お気に入りのポットとカップで、丁寧に紅茶を淹れる。
仕上げに、小さなスプーンで光を取り込むようにそっと蜂蜜を垂らせば、
溶けていく蜂蜜と紅茶の優しい香りに、ふんわり心がほぐれていく。
そんな幸せな日常の風景をイメージして、小さなスプーンの企画が生まれました。
形状は、丸みを持たせた部分と細かな彫り込みを施した部分を作り、
ボウル部分は小さめのバランスにすることで、ノスタルジックな雰囲気になりました。
特に、持ち手部分の小さな面積の中に施すレリーフは、
強度や生産性を保ちながらもフルドネの魅力が発揮されるように、
企画チームで検討を重ねて、窯屋さんと型屋さん双方の技術や職人経験により出来上がりました。
フルドネは、つり焼きという方法で焼成しています。
つり焼きは、穴を引っ掛けて吊るした状態で焼き上げるため、全面に釉薬を施すことができる方法です。
そのため、穴の部分以外は釉薬がかかり全体になめらかな仕上がりになっています。
吊るすための穴あけや、レリーフの仕上げなどは、一本一本手作業で行われています。
小さなスプーンを扱う作業はとても繊細で、細やかな職人の手仕事が生きています。
色はベーシックな白と、ニュアンスのあるブルーグレーの2色。
光を受けたつややかな質感や、透明感のある釉薬ならではの濃淡が、
やわらかにレリーフを浮き立たせています。
カップソーサーに添えて、はちみつや砂糖を混ぜたり、
ジャムやスパイスにと使い勝手の良い小ぶりのサイズ感です。
金属や木製にはない磁器素材の繊細でなめらかな表情をお楽しみください。
小さなスプーンの中に、ときめきを詰め込んだフルドネ。
ほっと一息ご一緒に、毎日の暮らしにハミングが溢れますように。
WRITTEN by Yuki Ogasawara