今年のお盆は実家でのんびり過ごしました。
親戚が集まり食事をするのも、盆と正月くらい。他愛もない話で盛り上がり、家族みんな健康でいられることをありがたく感じられる、そんな歳になったんだなあって、しみじみしちゃいました。
それにしても、実家の食器棚って、なんであんなにいろんな器があるんだろっていうくらい
たくさんの器があります。いろんな器があるのに実際に使いたい器がない・・・・。
だから今年は持参しました。盆と正月くらい華やかな器で食事を楽しみたいですからね。
持参した器は「椿」。
その名の通り、椿の花をかたどった器です。椿を模した器は「椿皿」と呼ばれ、古くから使われてきました。その多くは漆器で、茶請けや取り皿として使われてきました。特に茶の席では非常に重宝されていたようです。
漆器は高級で、お手入れも大変そうというイメージがありますが、マルミツでは毎日の食事に、普段使いとして使えるように陶器で企画されました。
この椿、上絵付けという技法で色を付けています。そのすべてが職人の手作業です。その為、全体的にぽってりとした雰囲気で、華やかさの中にも肩ひじ張らない抜けた感じが表れています。なので、盆や正月といった晴れの日はもちろん、毎日の食事でも取り入れやすいのが気に入っています。
おひたしやきんぴらなどの副菜を盛ったり、おやつの時間にかりんとうやいもけんぴを盛っても、料理やお菓子を引き立てつつ、器はちゃんと存在感を示してくれます。
いつもの食事の時間やお茶の時間が少しだけ凛とするのはきっと椿のおかげです。
椿のシリーズには、赤絵の他、黒と銀彩があります。
赤絵とは違う、モダンで凛とした表情は食卓をまた違った雰囲気にしてくれます。
今回、実家では取り皿として椿を使いました。
大皿に盛られた料理を椿に取り分けて食べる。
「なんか高級な料理を食べているみたいだなあ」と笑った父に、
「高級じゃなくて悪かったね」と言い返す母。
「毎日使ったら毎日高級料理を食べてる気持ちになれていいじゃん」と、息子。
器ひとつで食卓も会話もにぎやかになった今年のお盆でした。
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